【コラム】企業がインターン生に期待してはいけない3つのこと
2018年04月16日
今や1Dayの超短期のものから、
大学のキャリアセンターを通して長期休暇を活用したインターン、
半年以上の長期実践型インターンと多様なプログラムが溢れています。
そして、採用直結型のインターンも、本来のインターンプログラム枠組みとして許容する流れも見られています。
今回は、私たちG-netが2004年から展開してきた長期実践型インターンの600件を超えるコーディネート実績から見えてきた、インターンプログラム導入のポイントとして
「企業がインターン生に期待してはいけないこと」の中の3つをご紹介したいと思います。
G-netでは独自の実践型インターンプログラムのコーディネートだけでなく、東海地域のいくつかの大学でインターンプログラムの企画支援、アドバイザーとしても関わっています。その関わりの中で大学や企業側の声として、学生と企業のミスマッチやインターン中のトラブル案件を耳にすることも少なくありません。
今回の記事は、そんなトラブル回避のヒントになれば幸いです。
※ここでお伝えしている「インターン」とは、1DAY等を中心とした新卒採用のためのインターンではなく、一定の期間を必要としプログラムに教育的効果も組み込まれた本来のインターンプログラムのことを指しています。
1. 学生ならではの斬新な発想やアイディア、に期待しない
インターン生を受入れる企業担当者が最も口にされるのが、
「若者の視点を活かしてほしい」「若者ならではの自由な発想がほしい」という言葉。
学生たちは、稀に私たちでは思いつかないような良いアイディアを生み出すことがあります。
そして多くの学生がそのポテンシャルを持っていることも事実です。
しかし、そのミラクルヒットが常に起こることを期待するのはナンセンス。
社会に出ればインターン生はいわば、“ビジネス幼稚園児”のようなものです。
彼らに良いアイディアを期待するのであれば、まずはアイディアが生まれるための土台が必要です。
それは、商品知識や類似の成功事例、業界のトレンドなどを企業側で適切に彼らが理解できる言葉で教えることで作られていきます。
なんでもいいから考えて良いアイディアを求める、その意識を変えてみてください。
彼らから良いアイデアが生まれる可能性を高めるための企業側の事前準備・仮説作りこそが重要なのです。
2. 高いやる気とモチベーション、に期待しない
学生たちは、企業の魅力やインターンプロジェクトの面白さに魅かれ、目をキラキラ輝かせながら飛び込んできます。
そのキラキラした目を見ると「こんなにやる気がある子であればきっと成果を出してくれるに違いない」と期待することでしょう。
さて、この彼らのやる気に満ちた目は何によって担保されるでしょうか。
これから一緒に働く経営者や社員に出会い、共にプロジェクトを進めて行く中で、
そのやる気に満ちた目を本当の意味で輝かせられるかは企業側次第なのです。
「あの子本当にやる気あるのかな」「モチベーション低いよね」
インターン生にそんな声が向けられた時は、インターン生に課題があるのではなく
受入れている企業側へのアラートだと捉えていただくと良いと思います。
3. 勝手に学んで勝手に成長すること、に期待しない
インターンシップに挑戦する学生は、将来的な就業への接続やキャリア形成のための自己研鑽のために、自分の時間を遊びでもバイトでもサークルでもなく、社会で経験することに時間を投資するつもりでやってきます。
そんな意欲のある学生たちは皆、学ぶ力も成長するための伸び代も持っています。
ただ、企業側が期待する学ぶ意欲や成長イメージと同じようになるとは限りません。
一人ひとりがそれぞれ存分に力を発揮できるかは、個々の資質によるものだけでなく、
それらを発揮するための土台となる環境が必要なのです。
例えば、
✔️挑戦してみたいと思える「安心感」をチームや組織で感じられているか
✔️行き詰ったときにすぐ相談できる関係性があるか
✔️自分の意見を素直に伝えられるコミュニケーションが日頃とられているか
✔️失敗した後に改善のチャンスが与えられているか
✔️自分の役割や目指す方向が明確ですり合せができているか etc
このような組織や環境と彼らの本来持っている力とが掛け算されて力は発揮されています。
つまり、勝手に学んで勝手に成長する若者への期待ではなく、勝手に学べて勝手に成長できる組織風土や組織文化を企業側がどう整えられているかが肝なのです。
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さて、「企業側がインターン生に期待してはいけない3つのこと」 いかがでしたでしょうか?
「すぐいなくなる人に、そんなに時間やコストをかける意味はあるのか?」
そんな声も時折聞こえてきます。
インターン生を受入れることそのものを
『若者を採用するために試し評価する機会としてではなく、
若者を評価するのと同時に自社への評価が返ってくる機会として捉えられるか』
このように意識を一つ変えるだけで、インターンプログラムの導入が
刹那的なマッチングの可能性だけでない、組織にとっての価値を高めるのではないでしょうか。