【企業インタビュー】キラキラ働く人がみんな持っているたったひとつのモノ
2014年06月18日
㈱もくてき 代表取締役、ハタモク 代表 與良昌浩氏
早稲田大学、伊藤忠商事、アクセンチュア戦略グループ、中小企業経営、ベンチャー企業での新規事業開発を経て、企業風土改革を手掛けるスコラ・コンサルトに入社。様々な企業での経験から「人がすべて」と確信すると社会人が「何のために働くのか」語り合う「ハタモク(働く目的)」代表も務める。2013年、スコラ・コンサルトの社内ベンチャーとして株式会社もくてきを設立。
著書「他人の思考の9割は変えられる」 (マイナビ新書)
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私は、業績と働きがいの向上の同時実現を目指す企業風土改革の支援や、学生と社会人で「何のために働くのか」を語り合う「ハタモク(働く目的)」という対話の場づくりを通して、約2000人の働く人たちと話をしてきた。
そのなかで、仕事を楽しみキラキラ輝いている人は、与えられた自分の仕事に、自分なりの意味や目的を見出しているということがわかったのだ。
仕事の意味や目的を考える有名なたとえ話にレンガ職人の話がある。
私なりに少しアレンジを加えて4人のレンガ職人の話を紹介しよう。
レンガを積んでいるレンガ職人が4人いた。
その姿を見た旅人は「何をしているのですか?」と訊いた。
一人目のレンガ職人は
「見ればわかるでしょう。言われたとおりにレンガを積んでいます」と不機嫌そうに言った。
二人目のレンガ職人は
「レンガを積んで壁を作っています。大変な仕事ですが、賃金が良いからやっています」と淡々と答えた。
三人目のレンガ職人は
「レンガの壁を作っています。もっと訓練を積んで、世界一の壁作り職人を目指しています」と元気よく言った。
そして四人目のレンガ職人は
「教会を作るためにレンガを積んでいます。この教会は多くの信者の心のよりどころとなり、
完成したら多くの人が喜んでくれるでしょう。私はこの仕事に就けてたいへん幸せです」
と目をキラキラさせながら答えた。
同じ「レンガを積む」という仕事でも、仕事に対する姿勢はここまで変わってくる。
はたして君は、どのレンガ職人になりたいと思っただろうか?
実は、どのレンガ職人になるかは、君が決めることができる。
逆に、他人が決めることはできないのだ。君にしか決められないのだ。
君が社会に出たら、望まない仕事をすることもあるだろう。
特に最初の数年は、そういう状態に置かれるだろう。
不平不満を言いたくなるときもあるだろうが、
自分に与えられた仕事にどういった意味や目的を見出すか次第で、
未来は変わる。生き方・働き方は変わる。仕事への誇りが変わる。
ちなみに私は恥ずかしながら、35歳までそういった意味や目的を見出せずに働いてきた。
いや、正確に言うと、仕事に意味や目的を見出すことが大切だと知らずに生きてきた。
周りから期待される役割を果たし、いかに効率的に結果を出すかに力を注いできた。
「どうやって」はたくさん考えたが、
「なぜ」や「何のために」といった本質的な問いに向き合うことはなかった。
しかし、本来はそういった本質的な問いに向き合う“訓練”が、若いころ必要だったのだ。
君には、このレンガ職人の話を参考に、
まずは今の大学生活を充実させる“練習”から始めてほしいと願っている。
なぜ大学に通っているのか? 何のために授業を受けているのか?
ぜひ自分なりの答えを出してみてほしい。